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二人のマリアの墓所に建てられた教会の鐘楼。青空に向かってそびえる、三連の三角屋根が印象深い
ガラーン、ガラーン。時を告げる鐘が鳴り渡った。見上げると、石壁をくり抜き付けられた、五つの鐘が並んでいる。その鐘を目指し迷路のような小道を進むと、村の中心にある威風堂々とした教会にぶつかる。のんびりとした村の雰囲気に似つかわしくなく厳しい。それもそのはず、戦乱の時代には要塞として使われていた。教会の脇から入る階段を上がると、見張り台として使われていた屋根に登ることができる。尖った屋根の上に立つと、村の全景と海、そして広がる湿原地帯を一望にできる眺めが開けていた。
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この湿原地帯で伝統を守り生き続けているのが、誇り高き男たちガルディアンだ。ガルディアンとは、フランスのカウボーイ。白馬にまたがり、黒いフェルト帽をかぶり、いずれもよく日に焼けた精悍な顔をした男たちだ。牛や羊、そしてプロヴァンス各地で行われるどう猛な闘牛を飼育している。彼らの晴れの舞台となるのが復活祭に行われる闘牛祭だ。日増しに力強さを増す陽の下に、カマルグの男、ガルディアンが一堂に集まる。中にはまだあどけなさの残る少年の姿も見受けられる。彼らの生活には馬が欠かせない。馬を思いのままに操れなければ一人前の男と見なされない。そんな彼らの日頃鍛えた馬術が、この日に披露される。寸分の隙間もなく馬で壁を作り、牛を囲んで疾走する。また、手に持った花を奪い合うゲームが行われる。馬とガルディアンの息はぴったりと合い、右に左に軽やかなステップを踏むように馬を操る。馬と一心同体の妙技に思わず拍手。
白馬にまたがり疾走するカマルグの男、ガルディアン。復活祭に彼らの馬術が披露される
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季節の節目に行われる祭りから、故郷を愛する人の信仰と生活が伝わってくる。村に伝わるマリア伝承を誇りにし、歴史を伝えていく。また、自然とともに暮らすガルディアンは、伝統的な生活を続けながら、自然と大地の姿を守ってきた。祖先から受け継いだ故郷を、環境を、思いを込めて子孫に残す。郷土愛に満ちたフランスの田舎カマルグ、そこではローヌ川と地中海、そして村人が織りなす物語が続く。

黄色く染まった米と真っ赤なエビが、目にも食欲をそそるカマルグ名物のパエリャ

地中海に沈む夕日。潮騒に耳を傾け紅に染まりゆく空を目にすると、旅に出て良かったと思う時間が静かに流れる
JTWO…日本旅行作家協会。旅行に関する作品や発言の実績がある各界の専門家による団体。「世界旅行文化の振興」を旗印に現在約500名の会員がいる。
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