たびっと倶楽部の旅ふれあいマガジン
22号H14.10.26発刊
 
 フランスの田舎を旅する
サント・マリー・ド・ラ・メール
サント・マリー・ド・ラ・メールの巡り方
 安い食材を高く買った話
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佳作 地球の裏側にいる友人たち―メキシコ子連れ旅行顛末記―


安い食材を高く買った話
●文・イラスト  種村国夫    
1943年、長崎生まれ、イラストレーター・旅行作家。週刊文春、日刊現代、船の旅など雑誌・新聞に連載多数、日本旅行作家協会ではイタリア部会長を務めるほどのイタリア通。
 

旅行へ行くとタビ村、食卓につくとタベ村に変身する僕は、イタリアのトリノに着くと食料品がドドドーッと並ぶ、チェントラーレメルカート(中央市場)へ出向き、アッと言う間に食材の虜になったのであった。
あの高価なことで有名な、ポルチーニのオイル漬けや、パルミジャーノ・レッジャーノそしてゴルゴンゾーラチーズが、日本で買う1/2〜1/3の値段で買える。イタリア最高のパスタ、フェラーリやプロシュートも半値以下だ! 30分と経たない間に、デカ袋2つを両手でウンウン唸りながらかかえて僕は歩いているのだった。日本に帰ったら友人達を大勢呼んで、盛大なディナーパーティをやるぞう!!と小躍りしたまではよかった。
ところが北イタリアのトリノは日本からの直行便がないので、ローカル便を乗り継がねばならない。このローカル便が実は失敗の原因となった。
100人ほどしか乗れない飛行機の、バッゲージ重量制限がチョー厳しいということを、荷物を預けるチェックインカウンターにスーツケースを置くまでコロッと忘れていたのである。20キロの超過料金を払って下さい!と、美しいカウンターガールが仏頂面で告げ、まったくオマケなどしてくれそうもない。まあ大した値段ではないだろうと思った僕は「OK!払いましょ」と答えたのだが、手渡された請求書を見てワッと驚いた。日本円にして4万5千円也という料金に、額からアブラ汗が滲んできた。せいぜい5、6千円の話と甘く見たのが運のつき、「払います」とハッタリをかました以上、払うしか手はないのだった。
これじゃ何のためにメルカートまで行って安く食材を買ったか解りゃしない。日本で買った方がよっぽど安上がりだヨ、と見送りに来てくれたイタリア人の友人に不平を言うと、タネさんそんなときは、機内持ち込みのザックに重量物は詰め込み、スーツケースはできるだけ軽くするのがコツだヨと教えてくれるではないか。何でもっと早くそれを言ってくれないの!と涙が出たが、後の祭りとなった。