| ジャングルを抜けるとマデイラ川のほとりに辿り着いた。モーターボートで浚渫船に近づく。橋口さんはこの浚渫船を4隻所有している |
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街は渇き、砂埃が舞い、霞んでいるように見えるが、空気が汚れているわけではない。7月も終わりを過ぎると乾季に入り、雨はまったく降らない。ロンドニア州の州都、ポルトベーリョは、赤煉瓦の建物と赤土が印象的な人口30万人ほどの小さな町で、ボリビア国境まで320qの距離にある。ガイドブックにも載っていない町には、現地の日系人の姿すら見かけることはなかった。
19世紀の終わりにアマゾン河の上流で天然ゴムが発見されて、北部のマナウスを中心に一大ゴムブームが巻き起こった。?枕木1本にひとりの命?と呼ばれるほどの苛酷な労働とマラリアによって、多くの犠牲者を出しながらマデイラ鉄道は開通した。そんな鉄道も今では煉瓦づくりの瀟洒な駅舎とともに、当時の面影を残し、日曜日には薪を積んだSLが観光客を乗せて静かに走っている。
金は作物と違って種を蒔いて生えてくるものではない。採れるときは儲かるが、採ってしまえば終わりである。採りやすいところはすでに採り尽くされていて、金の量も限られている。それでも、かつてのゴールドラッシュが忘れられず、「夢よ、もう一度」と、金塊探しに明け暮れる。金掘りはギャンブルであり、麻薬のようなものなのかもしれない。一発当たれば大きいが、リスクも大きい。
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ゴールドラッシュ全盛を誇った80年代初め、多いときにはわずか10時間で700gも採れたという。所有していた3隻の船で1kgから2kg近く採れることも珍しくなかった。当時、2000隻近くも浮かんでいた船も今では80隻ほどに減っている。
BR364をトラックは120kmのスピードで南へ下る。渇いた大地に伸びていく地平線、ヤシの木が鬱蒼と生い茂るジャングル、ところどころに見られる牛の放牧。そんな単調な風景がすでに2時間以上も続いている。途中で脇道に入ると、クルマ1台が通れるほどの荒れた道を10?ほど進む。突き刺さるような日差しが容赦なく照りつけ、開け放った窓からは木の枝や葉っぱが跳ね返り、顔やヒジを直撃する。体は宙に浮き、何度も天井に頭を打ちつけられそうになるほど、トラックは激しく揺れながら大きくバウンドする。
この付近はたびたび強盗が出没するらしく、先日も橋口さんの友人であるブラジル人のオーナーが、採取した金を持って町へ帰る途中、強盗に襲われた。橋口さんは護身のためにいつも12連発のライフルと38口径の拳銃をトラックに積んでいるが、この日に限って、「急いで家を出たから積むのを忘れた」と、まるで、携帯電話でも忘れたかのように話している。
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