「みなに幸あれ」
チュチェ祭にて、仏法の守護者が太鼓をうちならしながら、バチで観客たちの頭をこづいてまわる。幸せが訪れるということで、みな嬉しそうに頭を差し出している |
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ブータンは伝統が生きている国でもある。
民家をはじめ、多くの建物は、日光東照宮を思わせるようなブータン建築であり、色とりどりの彫刻や絵が施されている。空港やホテルの天井には曼荼羅が描かれている。民家の玄関には、魔よけとして、大きなそそりたつ男根が描かれていたりする。中にはさきっぽに目があり、ぴゅっと飛び出す液体の様まで描いてあり、とてもポップだ。
服も民族衣装を着ることになっている。義務づけられるとたまにハメをはずしたくなるだろう、ジーンズをはく若者もたまに目にしたものの、ブータンの民族衣装はとても美しく、人々も誇りをもっているようだった。
ブータンの王様は、若くてハンサムなだけでなく、伝統と自然との共存を大切にしつつ、国民のための政策を第一とするとても尊敬されている王様だそうだ。あえて王宮を持たずに、山奥で質素に暮らしていらっしゃるという。その王様のモットーは「GNPよりもHNP」をということで、国民ひとりひとりの幸せ度を大切に、ということだそうだ。教育費も医療費も国民の負担はないという。日本にいると、どうしてそういうことができるのか不思議だが、お金のかけどころがちがうのだろう。 |
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あるお寺では、マニ車をまわす係を、年をとって身寄りや仕事のない人たちがまかなっていた。与えられた役割が徳を積むことを兼ねているのがなんともうらやましい。そして、その光景を見て、弱さゆえに切り捨てられることのない安心感を思った。自分の幸せがだれかの不幸のもとに成り立つのではなく、みんなが幸せである、そんなことは理想かと思っていたが、ありうるのかもしれない、とふと感じた。
チュチェ祭で、仏法の守護者が、太鼓を打ち鳴らしながら広場を駆け回り、観客の頭をばちでコンコンとこづいてまわっている。叩いてもらえると幸せが訪れるということで、みんなうれしそうに頭を差し出していた。私も何度かこづいてもらった。
ブータン流の幸せをおすそわけしてもらえた気がした。
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