Tabit たびっと倶楽部の旅ふれあいマガジン
28号H16.3.1発刊
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最優秀賞 元気印のヴェッキョ(お年寄り)

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〜人々が集い、さまざまなシーンが響きあう街〜7年目のハービスOSAKA
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第6回ハービス旅大賞受賞作品 佳作
元気印のヴェッキョ(お年寄り)藤井裕三さん
お年を召したご婦人はカラフルだ、街行く人が同じ色に見えない。ニューファッションを発信するミラノだが、決して新しいコートではない。古くとも自分のものとして上手に着こなしているように見える。
 昼間は観光客や若者であふれる広場も、夕方ともなればどこからともなくお年寄りが現れて、7〜8人のにぎやかな話の輪がいくつも出来上がる。お年寄りにしては大きな声でもある……トトカルチョか株価の情報交換だろうか? イタリア語の響きが元気にも聞こえるのだろうか? 姿勢よく歩く後姿は「若い者には、まだまだ負けはしないぞ」と背中が語っているようだ。とにかく、イタリアのお年寄りは元気がいいように見える。
(左) 昼間のドゥオモ前は観光客でにぎわっている。日が落ち始めると、ずっと座っていた人も自分の影を追っかけ始める
(右) 夕方になるとどこからともなくお年寄りが集まってきて、にぎやかな話が始まる。株価の情報交換だろうか?
 
 
「もう少し隅をきれいに」「俺のやることに文句があるのか」とガラス越しに聞こえてきそうな……
「だんな!このポンコツ車、もう直りませんぜ!」「まだまだ直せるさ。俺だって、こんなにぴんぴんさ」

昼間の街中は、結構ごみが見られる。ジェラードやピザを食べ歩くし、紙くずやくわえタバコのポイ捨ても多い。決してマナーがいい訳ではない。雇用対策なのだろうか、早朝から散水車が走り回り、清掃車の周りをお年寄りの作業員が忙しく動き回る。観光客が街に出てくる頃には、水を打った石畳に朝の柔らかな日差しが跳ねる。変な話だが、ポイ捨てが許されるのもこうした朝の清掃があるからかもしれない。システムとしてはうまく回っているように見える。
 フィレンツェには職人が多い。石造りの建物の中をのぞくとサイドボードだろうか、木彫に汗するお年寄りが笑顔を見せてくれた。古い石造りの建物を壊して、新しいビルを建てることはない。外観は古いが内装はモダンなしつらえに驚かされることがある。建物も老いた人も、中身はいつも新しさを求めているように見える。

家路についているのだろうか? 大きな美女の視線を感じて歩くお年寄りの足は、少し急ぎ足

 

 

■作者Profile1949年生まれ、大阪府在住。会社員